主な検査結果の見方

検査項目(血液検査)

AST 肝臓に多く含まれている酵素で、肝機能検査として重要な項目です。肝炎(急性、慢性)、脂肪肝などで上昇します。また、心臓や骨格筋にも存在するため、心筋梗塞、筋肉疾患でも上昇します。
ALT AST同様に肝臓に多く含まれている酵素で、肝機能検査として重要な項目です。アルコール性肝障害、ウイルス性肝炎、脂肪肝などで上昇します。
γ‐GTP 肝・胆道系に多く含まれている酵素です。アルコール性肝障害、慢性肝炎などの肝機能障害のほかに、胆汁の通り道である胆道に障害があると上昇します。アルコールに敏感に反応するため、飲酒習慣により上昇します。
LDLコレステロール 『悪玉コレステロール』とよばれ、肝臓で合成されたコレステロールを身体の末梢へ輸送しています。高値を示すと、動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす危険性が高まります。生活習慣病、喫煙歴のある場合にはコントロールが必要になります。
HDLコレステロール 『善玉コレステロール』とよばれ、身体の末梢にたまったコレステロールを肝臓に輸送しています。高値を示すと動脈硬化の防止に役立ち、逆に低値を示すと危険性が高まります。運動することで増加し、喫煙習慣により低下します。
中性脂肪 体内で最も多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。肥満、運動不足、過食、過飲で上昇します。高値が持続すると動脈硬化を進展させ脳梗塞・心筋梗塞の原因に、また脂肪肝の原因にもなります。油の多い食事、飲酒習慣で上昇します。
赤血球数
ヘモグロビン
ヘマトクリット
赤血球数は、血液1㎕中に存在する赤血球の数を表します。ヘモグロビンは、赤血球中に存在し酸素を運搬する重要な役割を担っています。ヘマトクリットは、血液中の赤血球濃度を表しています。いずれも貧血を調べる検査になります。脱水症状の有無、心臓や肺の病気、血液の病気などで高くなることがあります。また、鉄分・蛋白質・ビタミンの摂取不足、出血、栄養素の吸収障害などで低くなることがあります。
白血球数 病原体から身体を守る役割を担っています。感染症などの炎症性疾患、白血病などの血液疾患で異常値を示します。
血小板数 血管の損傷部位に付着し、凝集して止血する役割を担っています。減少すると止血するまでの時間が延長し、過剰になると血栓形成の原因になります。血液疾患のほかに、肝障害などで減少することがあります。
HbA1c ブドウ糖と結合した赤血球ヘモグロビンの割合です。過去1~2カ月間の平均的な血糖値を反映しており糖尿病患者の血糖コントロールの指標として用いられます。
尿素窒素 血液中の尿素に含まれている窒素分を表すもので間接的に尿素を表します。含窒素物質の代謝産物で、腎機能障害時、高蛋白食の摂取や激しい運動、脱水などでも上昇します。
クレアチニン 筋肉を動かすときに必要なクレアチンというアミノ酸が分解されたあとに出てくる老廃物です。通常は、腎臓で濾過されほとんど再吸収されること無く尿中に排泄されます。そのため、腎機能障害があると上昇します。
尿酸 蛋白質の一種であるプリン体が代謝される際に生じるもので、アルコールやプリン体を多く含む食品の過剰摂取、腎機能障害の時に上昇します。高い状態が続くと、痛風発作とよばれる関節痛を起こします。また、腎結石の原因になることがあります。
eGFR
(推算糸球体濾過量)
クレアチニン値をもとに年齢・性別を考慮して算出した糸球体濾過量のことで、腎機能障害の指標となります。

胃がんリスク検診

ペプシノゲン検査
(PG検査)
胃粘膜から分泌される消化酵素のペプシンを作る物質で、消化を助ける働きがあります。ペプシノゲンⅠ、ペプシノゲンⅡに分類され、ペプシノゲンⅠとⅡの比率を検査する「PGⅠ/Ⅱ」が胃全体の萎縮度合いを反映すると言われています。萎縮性胃炎の状態になると胃がんが粘膜から発生しやすくなります。
ヘリコバクターピロリ
抗体検査
血液中の抗体を調べることでピロリ菌への感染の有無を調べます。ヘリコバクターピロリとは、胃や十二指腸に悪さをする菌です。胃の粘膜に生息し、除菌しない限り胃の中に棲み続ける特徴があります。

前立腺がん検診

PSA検査 前立腺液の中に含まれる蛋白分解酵素(前立腺特異抗原)のことです。糖タンパクの一種で、前立腺の上皮細胞や尿道の周囲の腺細胞から作られ、血液中にも極々微量流れ込んでいます。その値を測定しています。前立腺がんのほかに、前立腺肥大症、前立腺炎でも高値を示します。

検査項目(肝炎ウィルス)

HBs抗原 B型肝炎ウイルス(HBV)を調べる検査です。HBs抗原というHBVの外殻を構成するたんぱく質が血液中にあるかどうかを調べます。 HBs抗原が陽性(+)の場合、HBVに感染していることを意味します。 ただし、HBs抗原が陽性(+)となるまでには、HBVに感染してからおよそ2~3ヵ月が必要とされています。
HBs抗体 HBs抗原に対する抗体のことです。過去にHBVに感染したがウイルスが排除されている場合や、HBワクチンを接種することにより陽性(+)になります。HBVの感染を防御する働きがあり、HBVに対する免疫ができていることを示しています。
HCV抗体 C型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査です。C型肝炎ウイルス(HCV)に対する抗体を検出する検査で、もし陽性となった場合は引き続きHCV抗体価を測定します。その結果から必要があれば、HCVのウイルス遺伝子を検出する検査(HCV核酸増幅検査)を実施して、総合的に判定します。

検査項目(尿検査)

尿糖 血液中のブドウ糖が過多になると尿中に排泄されます。尿糖が陽性の場合は糖尿病を疑い、更に詳しい検査を行います。
尿蛋白 腎臓疾患のスクリーニング検査です。腎臓や尿管などに障害があると尿中に排泄されます。なお、異常がなくても発熱時や過激な運動後、ストレスによっても尿中に蛋白が排泄されることもあります。
尿潜血 尿中へ血液が混じっているかどうかを確認する検査です。腎臓、尿細管、膀胱、尿道、前立腺などの疾患で陽性になります。

検査項目(身体計測)

BMI
肥満度
BMI(Body mass index)は、BMI=体重kg/(身長m)2で求められ、体格を表す指数です。統計的にBMI=22 の時が最も有病率が低くなります。そこでBMI=22となる体重を理想としたのが標準体重です。肥満は、糖尿病をはじめとし多くの生活習慣病の危険因子になっているので注意が必要です。標準体重=22×(身長m)2
腹囲 内臓脂肪の蓄積の判定の指標です。おなか周りをおへその位置で測定します。血圧測定値、血中脂質値、血糖値などの結果と照らし合わせ、総合的に判断しメタボリックシンドロームの診断に用います。

検査項目(生理機能)

聴力検査
(オージオメーター)
単に音が聞こえるか否かだけを検査するのではなく、どのくらい小さな音まで聞こえるかということを測定する検査です。低・高音域(1000・4000Hz)の聴力検査を行います。加齢、環境騒音、耳疾患のほか、様々な疾患により聴力障害を生じることがあります。
視力検査 ものが見えにくい、二重に見えるなどの症状があるときに、最初に行われる基本的な検査です。角膜を通して入ってきた光が、水晶体で屈折し、硝子体を通過して、網膜にきちんと像を結び、その情報が正確に脳に伝えられているかを調べます。
眼底検査 血管の状態を体外から直接観察できる唯一の場所です。眼の病気だけではなく、血管の状態から動脈硬化や高血圧、糖尿病などを疑うことができます。

検査項目(その他)

大腸がん検診 便潜血検査で大腸、直腸、肛門などの消化管からの出血を検査します。大腸ポリープ、大腸ガンのほか痔からの出血や裂肛でも反応します。陽性反応または自覚症状のある時には精密検査をお勧めします。

検査項目(心電図所見)

時計回転 心臓長軸の電気軸回転を表します。体型や横隔膜の位置、あるいは心臓肥大と関係があることがありますが、他に異常所見がなければ異常とは言えません。一般的にやせ型は横隔膜が低く時計回転を呈しやすく、高度の右軸偏位を伴う場合は右室肥大が疑われる場合があります。
反時計回転 心電図においてQRS群の上下の振れがほぼ等しい場合移行帯と呼び、普通はV₃とV₄の間にあります。この移行帯がV₃よりも右側にある場合のことを表します。肥満や高血圧、心臓の位置の変化などで表れますが、健常者にもしばしばみられます。他に異常所見がなければ問題ありません。
右軸偏位 平均電気軸が右に偏ることを意味し、小児によくみられる所見で、成人では比較的やせた体質の方や運動をしない女性に認めることがあります。心臓の位置と関係があることがあり、時には右室肥大を伴うことがあります。軽度の右軸偏位以外に異常所見がなければ問題はありません。
洞頻脈 安静時の脈拍は、普通50~100/分の範囲にあり、労作や入浴、緊張・興奮時に増えます。脈が100/分以上の場合を頻脈といいます。小児では脈は速く、成人でも緊張時や慌てて検査を受けた時など一時的に頻脈が見られることがあります。安静時であっても100/分以上と速い場合は甲状腺機能亢進やホルモン異常、出血や貧血、発熱や感染症、心不全や心臓病などが隠れている場合がありますので注意が必要です。
洞徐脈 洞結節のリズムで脈拍が50/分以下の遅い時の場合には 洞性徐脈といいます。脈拍の数は年をとるほど遅くなりますので、60歳以上の方は脈が50/分位に減っても心配はありません。安静時、夜間は脈が遅くなるのが普通です。また、普段よく運動をしている方、肉体労働をしている方も脈が遅いのが特徴です。
軽度な右室肥大 右軸偏位や時計回転など右室肥大の所見を認める場合で、胸郭変形や心臓の位置の異常、慢性気管支炎や肺気腫など慢性の肺の病気がある場合に見ることがあります。他に異常所見がなければ問題はありません。明らかな右室肥大がある場合には、先天性心疾患が疑われ精密検査の適応です。
軽度な左室肥大 心室の興奮に伴うQRS電位が普通より大きく、左軸偏位やST-T異常が疑われる場合は、軽度の左室肥大の可能性があります。健常者では若い人や痩せた人、運動選手、肉体労働の方に認めることがあります。また、高血圧の時にもしばしば表れます。
WPW症候群 正常の刺激伝導系のほかに、心房-心室間に副伝導路というわき道があり、そこを介して正常刺激よりも速く興奮が伝わるためにQRS幅が広くなるなど特徴的な心電図を示す異常です。数百人に1人みられ、多くは健常者ですが、中には先天性心疾患、心筋症など心疾患を有する例があります。
房室ブロックⅠ度 心臓は上下・左右の4室からなり、上半分を心房、下方を心室と呼びます。心房と心室は刺激を伝える特殊な伝導系で結ばれており、興奮(刺激)が心房から心室へ伝わります。この房室間の興奮の伝わり方が正常の場合よりも少し遅いものになります。高齢者やスポーツマン、肉体労働者、副交感神経興奮など脈が遅い人に時々見られますが、他に異常がなければ問題ありません。
房室ブロックⅡ度
(ウェンケバッハ)
心房興奮が心室への伝わり方が遅く、時々伝わらなくなり、脈が結滞する不整脈の一種です。多くはスポーツ選手、肉体労働者、高齢者、脈拍の少ない人に認め、運動中は消失し、安静時や夜間睡眠中に出易くなります。基礎疾患がなければ日常生活や勤務に制限の必要はありませんが、経過をみることは必要です。
完全右脚ブロック 心臓の刺激伝導経路は、左右に分かれています。その内、右側の経路を右脚、左側の経路を左脚と呼び、この右脚に伝導の遅延や途絶があり右脚の興奮が遅れる場合を右脚ブロックといいます。高血圧、動脈硬化や老化で見られる事がありますが、しばしば健常者にもみられます。基礎疾患の有無の確認は必要になります。
上室期外収縮 心臓上部の伝導経路から刺激が発生し、基本周期のリズムより時間的に早く興奮する不整脈の一種です。P波の異常と脈の欠滞・不整を伴います。1分間に1~2個の散発性で他に異常所見がなければ放置して構いません。健常者でも、過食、不眠、疲労時などに見られることがあります。
心室期外収縮 心室興奮が正常のタイミングよりも早く出現する異常で、上室期外収縮と共に日常生活でもっとも普通にみられる不整脈で、心臓のシャックリとも呼ばれます。心臓に異常がなくても出現することがあり、不眠や過労、お酒やコーヒー、イライラやストレス、神経興奮や不安など、体調が悪いと一時的に見られます。
心房細動 心房全体から電気信号が1分間に400~500回バラバラに発生している状態です。脈が不規則で労作時に著しい頻脈になり、強い動悸や息切れの原因になります。健康な人であっても過度の飲酒をした翌朝などに出ることがあります。高齢者、高血圧や糖尿病、心臓病、脳梗塞の病歴のある人などでは、血栓を生じやすくなり、それが流れ出して血管に詰まると、脳梗塞をはじめ全身の血栓症を招く危険性があります。自覚症状のない人も心房細動といわれたら、精密検査が必要です。